日本味噌株式会社
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たれ類(つゆ)

みそ豆知識

味噌と病原細菌
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窪田 譲、伊藤 公雄、望月 務

1.味噌によって起きた食中毒の報告は今日まで1例も見当たらない。

昭和23〜53年の31年間の患者発生状況をみると、990,595名で100万人近い人々が罹っているが、原因食別患者発生の項に味噌が原因となった報告は1例もない。

2.食塩濃度を異にした味噌と衛生細菌食塩濃度の異なる味噌(0,2.6,5.2,8.6,12.3%)に非病原大腸菌、病原大腸菌,非病原ブドー球菌,病原ブドー球菌,腸炎ビブリオ菌、を混入し,1週間後にそれらの生菌数を検査したら、すべての区で使った菌の全部が死滅していた。
味噌のpHは大腸菌、ブドー球菌の発育可能域の下限値に近く増殖条件として適当でない。水分活性値は無塩味噌でも0.903で使用した菌の増殖条件としては適当ではない。

3.無塩・低塩味噌の保管状態と衛生細菌

食塩濃度の異なる味噌3種類(0,6.4,11.2%)に非病原大腸菌、非病原ブドー球菌,各1株を混入し、袋詰めにし、密封したものと開放のままのものとを入れて試験した。
その結果、保存温度が高くなる程菌の死滅は早く、大腸菌の方がブドー球菌よりはるかに早く死滅した。
また、食塩濃度が高い程死滅するまでの日数が短くなり食塩濃度11.2%では大腸菌は2日以内、ブドー球菌では4日以内で死滅した。密封した方が開封したままのものより菌の死滅が早かった。

昔から味噌によって起きた食中毒の報告はなく、安全な食品として高く評価されていたが、最近味噌の菌学的安全性について心配する声が聞かれるようになってきた。
味噌中の食塩が安全性保持のために果たしている意義は大きいが、その他に水素イオン濃度(pH)生成アルコール(量)水分活性(Aw)などが重要な鍵を握り、単独か、または一部か全部が組み合わされて、衛生細菌の増殖抑制に働き更に食塩の濃度に比例して抑制力が増強することが明らかになった。

(醸造協会誌,76(12),821(1981)より抄録)




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